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イギリスで驚いた犬事情! Part.1

新しい年を迎え筆者のイギリス在住歴も今年で21年となります。
今から21年前に当時の愛犬であったミニチュアダックスフンドを連れて渡英してきた訳ですが、21年前に来た時から今現在までイギリスの犬事情で受けたカルチャーショックというか個人的に驚いた犬事情の一つを今日はお話したいと思います。

日本では当たり前の事が21年前のイギリスでは衝撃な事だった

日本からイギリスに来たばかりのころの我が家の愛犬

今から21年前。日本から愛犬を連れてきた時、日本では比較的当たり前であった事がこちらでは非常に驚かれた事がありました。
それは犬に洋服を着せていること! 当時、日本にいた頃はお散歩時は犬に洋服を着せるのが当たり前になっていた筆者はこちらでも同様に犬に服を着せて散歩をさせていました。
すると、小さな子供たちがまるでお化けでもみたかのように目をまん丸にさせ、
「マミー!!あのワンちゃんを見て!!服を着てる!!!」
と我が家の愛犬にむかって指をさし、大声で叫ぶではないですか。

最初は小さな子供なので、服を着せている犬を見る機会が今まであまりなかったのかなと思いました。
しかし、その後も大人も子供もまるで変な生き物でも見るように我が愛犬を見ている事に気が付きました。
大人こそ何も言いませんでしたが、子供たちは必ず口を揃えて
「犬なのに服を着ているわ!!」とか
「なんであの犬は服を着ているの?」と母親にしつこく質問し、筆者の手前だったせいか
「シっ!!黙りなさい!」と言った具合に、頭のおかしい人間には関わりたくないといった風にそそくさと足早に立ち去っていく親子もおりました。
当時のイギリスは犬に服を着せるなんて狂気の沙汰。と言った具合でした。

ロンドンではワンちゃん用のオシャレな服が売っていなかったので全て日本で購入したもの

日本でも世代や住んでいる地域によっては犬に服を着せるという事に対して抵抗感を感じていらっしゃる方もいると思います。
しかし、21年前のイギリスでの犬の洋服に対しては、奇異な物を見た!というぐらいの驚きをもって見られたという印象でした。

洋服を着せる事は虐待?

一度などは、やはり愛犬に服を着せてお散歩をさせていた所、老紳士に「犬が寒いと思って洋服を着せているのか?犬は寒くなどない。そんな服を着せるのは間違っている。」と面と向かって言われた事がありました。
その時は、ファッションで洋服を着せていた訳ではなく足の短いダックスの我が家の愛犬は冬場お散歩に行くとお腹がドロドロに汚れてしまうので汚れ対策の為に服を着させておりました。
その旨、老紳士に説明しましたが納得せずに「犬に服を着せるなんてナンセンスだ」とばかりにぶつぶつ言いながら立ち去っていきました。
彼の中では犬に服を着せる事は虐待行為に思えたのかも知れません。

あまりにも驚かれるので徐々に洋服を着せなくなっていきましたが、クリスマスやお正月など特別な日などは服を着せてお散歩させておりました

ペットから垣間見るイギリス人気質

そんな具合に犬に洋服を着せている事はイギリス人にとっては驚くべき事だったのですが、パリに旅行した際、パリでは日本同様、ワンちゃんに洋服を着せてお散歩をさせている人たちに多く遭遇。

当時はパリス・ヒルトンなどがワンちゃんに服を着せて連れ歩く事が流行していた事もあり、オシャレなパリっ子たちもワンちゃんに洋服を着せる事がファッションの一つとなっていた時代でした。

残念ながらフランス全土で犬に洋服を着せる事に抵抗がなかったのかどうかは不明なので深くは言及出来ないのですが、ロンドン中心でも犬に洋服を着せている人はあまり見受けられなかった事から都市と地方の違いというよりは、イギリス人の気質とフランス人・日本人の気質の違いなのではないか?と個人的には感じております。

イギリスでは犬を可愛がりはしますが、決して人間の子供のような扱いはしません。犬はあくまでも犬。イギリス人は自然そのものを愛する国民性。それに対して、日本人は筆者も含めついつい人間の子供のような感覚でペットを可愛がってしまう傾向があるように思います。

犬は犬らしく。猫は猫らしく。自然のままで。

時代と共に移り変わっていくペット事情

ところが、、時代が移り変わりいつからでしょうか?
ここ数年の間に、ワンちゃんに洋服を着せる事がここイギリスでも定着してきました。

10数年くらい前からチェルシーなどセレブな街にあるペットショップなどでちょっとずつ売り始められたワンちゃん用の洋服。(実は当時はほとんどが日本からの輸入品でした)
それがここ数年では、どこにでもあるチェーンのペットショップやスーパーマーケットでも売られるようになりました。

チェーンのペットショップのワンちゃん服売り場
ワンちゃんの服もだいぶ充実してきました

またお散歩時に服を着たワンちゃん達にもたくさん遭遇するようになりました。
昔は宇宙人でも見つけたような勢いで驚かれていたのがウソのようです。

ただ、日本などで売られているようなおしゃれなワンちゃん用の服というよりは寒さ対策であったり、汚れ対策のようなシンプルで実用性重視なデザインの服がほとんどなのが、やっぱりイギリスらしさを感じてしまいます。

寒さと汚れ対策で着せているケースが多いとみられますが、21年前には見られなかった光景
また、アレルギー対策で皮膚を掻いてしまわないようにお洋服を着せるワンちゃんも増えているとの事です

日本では今、ワンちゃんに洋服を着せていないと「裸族」と呼ばれ、なぜ服を着せていないの?などと聞かれる事もあると聞いてびっくりした事がありました。
もちろんSNSなどを見る限り、日本の全てのワンちゃんが服を着ている訳ではないので、偏った話とは思いますが、それはそれで面白い話だなぁと思いました。

21年たった今、昨年より新しく迎えた我が家の柴犬ですが、今はイギリス流に裸族で育てております。つくづく21年前は流行の先端を行き過ぎていた我が家の愛犬。今は逆に流行と逆行しているところがこれまたおかしと言った具合でしょうか。

避妊手術後、初めて傷口保護の為に服を着せられる我が家の愛犬
着慣れていない為、動かなくなりました

地元で有名人となる。

実は、洋服以外にも21年前、日本から持ち込んだ物でイギリス人に非常に驚かれた物があります。
それはワンちゃん用の抱っこ紐(スリング)です。

スリングは両手が空くので犬連れでのアンティークマーケット巡りなどにも便利でした

我が家の先代犬はちょっとばかし変わっていてお散歩は大好きなのに一歩外に出ると一切歩かず、抱っこして地面に置いた地点から家に向かって歩くという習性の持ち主でした。なので、愛犬の運動量は私がいかに家から遠いところまで抱っこして連れ出せるかにかかっていました。

小型犬のミニチュアダックスとはいえ、我が家の愛犬は大きめな子で体重6キロ近くもあった為、抱っこしてのお散歩は非常に重労働。

毎日のお散歩は抱っこバックに入れて行っておりました。
お洋服に引き続き、これがまたイギリス人の度肝を抜いてしまう事に・・・。

またまた小さな子供達に

「Dog in a bag!!!!!」

と叫ばれ指をさされる始末となりました。

もちろん子供達だけでなく、大人達には変な東洋人の女が犬をバックにいれて散歩させていると町中の噂となり、そのおかげでお散歩中、いろいろな方に声をかけてもらうようになりました。

当時はどこに行くにも抱っこバックの中に入れて連れて行っておりました

後に、愛犬が亡くなった後、私と愛犬がいかにわが町で有名人であったかを知る事になるのですが、その話はまた別の時にでも。
当時はペット用のスリングがほとんど知られていなかった為、お散歩中にどこでこのペット用のスリングを購入出来るのか?と尋ねられる事も度々ありました。

あまりにもいろいろな方に聞かれるので、日本から輸入して販売したら成功するかも・・・なんて事も考えた事もありました。

しかし、しつけの行き届いたイギリスで飼われているワンちゃんでお散歩中に歩かないのでスリングに入れて連れ歩かないといけないワンちゃんがどれだけいるか非常に怪しいもので、輸入していたとしてもさほど売れなかったかも知れません。

ところで日本では今、愛犬のお散歩にスリングを使っている方より断然ワンちゃん用のバギーを使われている方が多いように思われます。
実はここイギリスでも 21年前に比べてペット用バギーに小型犬を載せてお散歩している方を見かけるようになりました。

21年前ならこれも犬をバギーに乗せてお散歩させるなんて言語道断な行為だったと思われます。
バギーにワンちゃんを載せていらっしゃる方は老犬となってお散歩がままならないワンちゃんや、飼い主さんご自身がご高齢で多頭飼いされているなどのケースが多いようです。

【引用】https://www.diy.com/search?term=Dog%20Pet%20strollers
イギリスのオンラインショップでもこんなペット用バギーを購入できる時代になりました。

そのほかにもこの21年間で「犬」を通じて知ったイギリスと日本の違いに驚いた事が多々ありました。次回、またそんなお話が出来たらと思います。

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