11月に入り気温もぐっと下がってきた今日のこの頃、
寒さとともに風邪なども流行り始めてきますよね。
皆様は風邪の予防対策などをどのように行われていらっしゃいますか?
- 質の良い睡眠を保つ
- 栄養バランスの良い食事を摂る
- 手洗いうがいを心がける
などといった対策に加え、
エッセンシャルオイルを使ったり、
ハーブティーを飲んだりといった事もされていらっしゃる方も最近は増えているようです。
今回は英国在住メディカルハーバルスト&アロマセラピストのリエコより、風邪の季節に「安全」にそして「直ぐに活用できる」ハーブやアロマの活用法をご紹介させていただきたいと思います。
ハーブって?
イギリスではお料理にも大活躍するハーブ等ですが、バジルやタイム、セージなどといったキッチンでもお馴染みのハーブに「薬効」が含まれるのをご存知でしたか?
そうなんです、ハーブというのは「薬効を持つ植物」いわゆる ”薬草”でして、ハーブの種類によって含まれている薬効の強さは異なりますが、医薬品が主流になる一昔前まではこれらのハーブが「薬」として使われていました。
日本ではハーブ=地上部のイメージが高いかもしれませんが、イギリスでは「料理用の香草」から「薬草」「薬用植物」という意味合いで使われています。
医薬品の原料となったハーブも多くあります。
《医薬品の原料となったハーブ例》
- ジギタリス Digitalis :強心配糖体のジギトキシンなどが含まれる
- メドウスイート Meadowsweet :サリシンが含まれる。1899年にメドウスイート由来のサリチル酸を用いてアセチルサリチル酸(アスピリン)が合成された。
身近にあるハーブ等
実はハーブってすぐそばで育っているものが沢山あるんです(身近なハーブについてはまた別途ご紹介する機会を作ってみますね)。
例えば、
イギリスの公園などで見かけることが多いホースチェストナットHorse chestnut(学名/Aesculus hippocastanum )とっても大きい木ですが、夏の終わりから秋にかけてゴツゴツとした形を持つ緑色の蒴果ができ、その中にはconkersと呼ばれる種子ができます。その種子が薬草として使われます。
ネトル Nettele (学名/Urtica dioica)もとても身近なハーブの一つです。
使い方&注意点
イギリスの場合、専門店やヘルスストアー、薬局などでドライハーブ、チンキ剤 Tincture、錠剤などの形状で売られています。
ハーブによって使用部位や一回の推奨使用量が異なります。また薬草ですので妊娠中の使用は控えるべき、特定の薬との併用も控えるべきなど「注意や禁忌事項」もあります。不安な場合は専門書を使ったり、お店の人にしっかりとアドバイスを貰って使用してくださいね!
《ロンドンにあるハーブを購入しやすい店 一例》
- Neal’s Yard Remedies Covent Garden店: https://www.nealsyardremedies.com/
- G. Baldwin & Co. : https://www.baldwins.co.uk/
- Food for all: https://foodforall.co.uk/
アロマセラピーとは?
Aromatherapy /アロマセラピーとは
ハーブ(植物)に含まれるエッセンシャルオイル/Essential oil(精油)を使い、その香り、精油の薬効を芳香浴やマッサージ、塗布などに役立てるセラピーです。
エッセンシャルオイルについて
エッセンシャルオイル(精油)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などに存在する何十~時には数百という数が集まって構成されている有機化合物です。
ハーブと同じく個々の精油には異なる成分、効能が含まれています。
使い方&注意点
非常に高度に濃縮された液体のため、間違った使い方をすると危険な場合が出てきます。
経口毒性などもありますので使用方法を必ず守ってくださいね。
(原液をつけない、希釈する、飲用しない、高血圧やてんかん、ホルモン療法中など、そして妊娠授乳中や小さいお子様への使用の際の注意事項、禁忌事項を守る他、多くの注意点があります)
最近は特に「精油の動態学」の専門知識は無い方が、これまた薬物や医学の専門知識の無い方から「飲用」を勧められてしまい、体調を壊すなどの「飲用への注意喚起」が挙げられています。
イギリスでは意外にも多くのエッセンシャルオイルを取り揃えている店が少ないため、アロマセラピストの多くはネット販売を利用しています。
《エッセンシャルオイル販売店一例》
- Oshadi: https://oshadhi.co.uk/
- Quinessence: https://www.quinessence.com/
- Bay House Aromatics: https://www.bayhousearomatics.com/
予防に活躍するハーブティー
エキナセア(Echinacea)
ローズヒップ(Rosehip)
+味の調整にカモミールやペパーミント
を同量でブレンドしてみてくさい。
免疫賦活作用のあるエキナセアは疲労が溜まっている時にも役立つハーブです。
ローズヒップには豊富なビタミンCが含まれています。
*イギリスの場合Echinaceaは根と地上部の両方が売っていることが多いですが、ハーブティーの場合は学名Echinacea purpurea地上部をお買い求めください。
*自己免疫疾患の方および免疫抑制剤を服用されている方への使用に注意が必要になる事もあります。
使用法:
浸剤(ハーブティー)
一回小匙山盛り1杯に対し、200mlの熱湯を注ぎ4~5分ほど抽出します。
風邪の症状がある場合には一日3~5回ほどご利用ください。
予防に活躍するエッセンシャルオイル
免疫力へのサポートや抗感染(ウイルスや細菌などからの)作用を持つエッセンシャルオオイルをアロマディフューザーに入れてお部屋で使ってみましょう。
ティーツリー Tea tree (学名/Melaleuca alternifolia)やラヴィンサラ/ラヴィンツァラ Ravintsara(学名/Cinnamomum camphora)など、お部屋の大きさにもよりますが8畳程度であれば合計2~3滴ほどお使いいただけます。
ただし、風邪の季節だからといって、頻繁に精油をディフューザー で利用するのはお勧めいたしません。
一回15~20分程度+一日2~3回が推奨の形となります。
ディフューザー を使った後は、しっかり換気も行って下さい。
仕事場などでしたら、ティッシュなどに1滴垂らして、デスクの上などに置いてご活用ください。
風邪の症状に活躍するハーブブレンド例
*浸剤(ハーブティー)で使用する場合は、一回小匙山盛り1杯に対し、200mlの熱湯を注ぎ4~5分ほど抽出します。風邪の症状がある場合には一日3~5回ほどご利用ください。
*チンキ剤の場合は3~5mlのチンキを少量の水で薄め一日3~5回ほど利用
風邪の引き始めの微熱がある時に
《スッキリした味わいハーブブレンドはいかがでしょうか?》
ペパーミントPeppermint +ヤロー Yarrow +エルダワーフラワー Elderflower +エキナセア地上部Echinacea purpurea のブレンドの浸剤。(同量でブレンドしてみてください)
免疫賦活+発汗作用をサポートして微熱を緩和してくれます
*妊娠授乳中には禁忌
その他にもジャーマンカモミール、メドゥスィート、エルダワーフラワー、リンデン、などもお勧めのハーブとなります。
痰が出る咳が出始め喉が痛い時に
タイム Thyme+セージ Sage + ペパーミントPeppermint (同量でブレンド)
喉の痛みがひどい場合にはリコリスLiquoriceを1/4ほど追加
*妊娠授乳中などには禁忌となります。リコリスを入れる場合は高血圧の方他、注意点が増えますので専門書等でご確認ください。
鼻水や鼻炎の時に
エルダーフラワー Elder Flower+アイブライト Eyebright
同量のブレンドでお使いください。
飲みにくい場合はジャーマンカモミールやレモンバーベナ等で味を調整してみてください。
風邪の症状に活躍するエッセンシャルオイルブレンド例
鼻の通りが悪い時の蒸気浴
ラヴィンサラ/ラヴィンツァラ Ravintsara+ペパーミント(同量)
マグカップにお湯を張り、ブレンドした精油を1滴加えます。マグカップにクリアファイルなどをメガホン状にして鼻から蒸気を吸い込めるようにし利用します。
一滴でもとっても刺激が強いので必ず目を閉じて行ってください。
香りが強すぎると感じる場合は数分時間を置いてから試してみてください。
(*てんかんや喘息の方には強すぎる可能性あります。
10歳以下の小さな子供への使用や長時間の顔付近への使用にはくれぐれもご注意ください。)
咳がひどい時に
サイプレス(Cypress)+ユーカリ・ラディアータ(Eucapyptus radiata)
ベースオイル(マッサージ用のホホバオイルやスィートアーモンドオイルなど)30mlにブレンドした精油を6~8滴ほどブレンドしよくかき混ぜてから胸部に塗布します。
一日2~3回ご利用ください。
精油が肌に合わない場合は使用を中断ください。
*サイプレスは酸化しやすいので保存に注意
*ユーカリ・ラディアータ(Eucapyptus radiata)の様に1,8シネオールが多く含まれる精油の小さな子供への使用(特に顔付近への使用)や長時間の顔付近への使用にはくれぐれもご注意ください。
今回は日本でも手に入りやすいハーブやエッセンシャルオイル(精油)をご紹介してみました。
是非風邪の予防や緩和に役立ててみてくださいね!